リフォームの現場には、いろいろな職人が入ります。
大工、水道、電気、内装クロスなど、それぞれが専門の仕事です。でも、腕のいい職人が集まれば必ずいい仕上がりになるかというと、実はそうでもありません。
例えば、大工さんが壁を貼る前に電気屋さんが配線を通しておく必要があります。その連携がうまくいかないと、そのまま壁を貼ってしまい、やり直しになることもあります。これはほんの小さな例ですが、リフォームの現場にはこうした判断や連携が数百、数千とあります。

一人ひとりの高い技術力はもちろんですが、現場では職人同士の連携がとても大事です。ホームプラスでは、長く一緒にやっている職人チームで現場をつくっています。
現場の中心になる大工は長い方で20年。クロス職人は15年。一番若い水道の職人でも4年になります。それぞれが他の職種の仕事も理解しながら、次の工程を考えて仕事を進めています。
今でこそ、こうしたチームが出来ていますが、最初からそうだったわけではありません。私は監督(管理)の役目ですが、独立したばかりの頃は正直に言うと職人さんに任せるのが心配で仕方がなかったんです。
恥ずかしながら、最初の10年くらいはほとんど現場に張り付きっぱなしでした。3日かかる工事なら、3日間ずっと現場。朝から夕方まで現場にいて、職人さんと一緒に動いていました。今思えば、そこまでしなくてもよかった部分もあったのかもしれません。ただ、リフォームの現場は図面だけでは分からないことが多い。
納まりや段取りも含めて、実際の現場を見ながら判断することがたくさんあります。
図面は設計を担当する女性設計士がつくり、現場とやり取りをしながら、納まりまで一緒に考えています。

そうやって現場を重ねながら職人とも一緒に仕事をして、信頼できる職人たちと出会ってきました。リフォームの現場は、結局「人」なんです。
20年かけて何人もの職人と仕事をして、入れ替わりもありながら、今のチームが出来ました。

|リフォーム管理は、段取りが9割
リフォーム工事が予定よりもなんだかんだで長引いてしまう、という話はよく聞きます。実際、そういうケースは本当に多いと思います。
その原因の多くは、しっかりと段取りが出来ていないことです。私の役割「監督」の仕事は、工程表を作って職人の動きを組むことでもあります。
例えば、
午後1時に水道が入る。大工はこの日で区切る。次にクロスのパテ。仕上げに電気。こうした順番で職人が入るように、現場の段取りを組んでいきます。
ただ、この段取りは机上の知識だけでは作れません。自分自身がこれまで、ガスや水道の仕事もやってきましたし、現場で大工さんの元で仕事を覚えてきました。だから、それぞれの職人の仕事が分かります。
例えば大きな会社の営業スタッフのように、実際の作業が分からない人が工程を組もうとしても、なかなかうまくいきません。工程が読めないと段取りがズレる。
段取りがズレると工事は伸びてしまいます。HOMEPLUSでは、これまで工程が大きくズレたことはほとんどありません。もちろん通常は予備日を用意しますが、その予備日を使うこともほとんどないんです。
|見えないところで工事の質が決まる
リフォームは完成するときれいにみえるものです。
ただ、仕上がった後では見えなくなる部分が、実は一番重要だったりします。例えば手すりを取り付ける工事。壁にビスが効くように、設計の段階から壁の中に補強を入れておく必要があります。もし補強の位置が少しでもずれていたら、ビスが効かず、手すりは後々必ず緩んでくる。こういう部分は完成したときは見えませんが、工事の質はこういうことの積み重ねなんです。

トイレ工事でも同じです。便器によって給水管が外に出るタイプなのか、中に収まるタイプなのか違います。
それを事前に確認していないと、「この製品は付かない」ということが現場で起きてしまったりも。こうした細かな部分を工程ごとにチェックするのも、監督の大切な役割です。
|見積もりの考え方
リフォームを考えるとき、何社かに見積もりを取るという方も多いと思います。
ただ、正直に言うとリフォームの見積もりは単純に比較できるものではありません。
というのも、リフォームは見えない部分がほんとうに多い仕事だからです。
例えば前の章でも書いたように、壁の中の補強や配管の位置、下地の状態など、仕上がると見えなくなる部分がたくさんあります。こうした部分をどこまで想定して見積もりに入れるかで、金額は大きく変わってきます。

例えば、手すりを付けるための補強をしっかり入れるかどうか。トイレの配管を製品に合わせてきちんと調整するかどうか。見えない部分をしっかりやろうとすればするほど、当然その分だけ手間もかかりますし、見積もりにも反映されます。
逆に言えば、そういった部分を最初から考慮しなければ、見積もりはいくらでも安く見せることができてしまいます。
だHOMEPLUSでは、将来的に家にとって問題になる可能性がある部分を、触れずに済ませるような見積もりは作りません。プロとして「本来はこうしておいた方がいい」という部分は、きちんとお伝えするようにしています。

もちろんご予算もありますから、すべてを一度に直す必要はありません。そのうえで、ご予算の中でどんなリフォームができるのかを一緒に考えていきます。
見積もりの段階では分かりにくい部分ですが、後々のメンテナンスや安全性、快適さを考えると、実際に住み始めてから「やっておいてよかった」と感じていただくことは多いです。単純に一番安く見える見積もりを作る、という仕事はしていません。
そういった積み重ねが、これからリフォームをされる方の安心につながればと思っています。
HOME PLUS 代表 星 貴則